「有事」にカントリーマネージャがすべきこととは?

2020年3月、カントリーマネージャの会は「危機状況下のカントリーマネージャ」というテーマで定期イベントを開催しました。イベントレポートを全5回でお届けします。第5回は、パネリスト全員で、「有事の経営」で重要なことを語ります。

坂本:児玉さん、大変貴重なお話をありがとうございます。小川さん・大坪さん、何かご質問やコメントありますか?

大坪:児玉さんの話、大変面白かったです、ご無沙汰しています。

日本から別に意図して作ったわけではない安否確認システムが、自分たちの今を守るプロダクトとして世界で使われているという話、一言では片づけられないくらい興味深かったです。

児玉:そうですね。そのあと、Facebookが世間から批判・攻撃を浴びていた時にも、お話した日本チームが作った安否確認のプロダクトがあったことで、マーク・ザッカーバーグも色々な所で、ソーシャルネットワークにはこういう有効な使い方があるんだよと話しています。

常にこれは日本チームが作ってくれたんだと今でも話してくれているので、それは凄く誇りに思っているし、実際、特許も取ることができました。特許に僕の名前も載っているんです。

Facebookにとって、ソーシャルグッドの部署を作るぐらい、社会的インフラとしての役割に投資していかなくちゃいけないということを、たまたまではありますが、地震をきっかけに日本から示すことが出来たのは凄く良かったと思いました。

新型コロナを契機にもしかすると、Facebookに限らず、こういう時に必要な機能みたいなのが生まれるんじゃないかなと思うので、サービスとしてピンチをチャンスに活かす重要な局面かもしれないですね。

坂本:今、LinkedInの村上さんから、「LinkedInは中国に拠点があるから対応の開始が早かった」や、「中国は政府指導が強めだったけど、日本はそうでもないからより主体的に動く必要があった」とコメントを頂きました。これ、おっしゃる通りですよね。

大坪:まったく同意です。海外から見ると政府が何か指示するだろうと言われた訳ですけど、中国は政府が右向け右と言ったらみんな右向く一方で、日本は強制力がない中で、自分たちで動かなきゃダメなんだと、熱く説得しました。

今のお話にまさに関係するお話をしていいですか?

坂本:どうぞどうぞ。

大坪:リセッション・クライシスという話で、まさに今リセッションに、世界的に突入すると思うんですね。アメリカの失業率も30%くらいになるだろうと連銀の方も話していました。

ノルウェーの失業率も今10.4%ぐらいになっているみたいなんですね。リセッションに日本も入ってくると思うんですが、その時にやっぱりこれを機会と捉えられるかどうかが、すごく重要だと思います。小川さん、児玉さんの話も共通してそうでしたけど。

過去のリセッションを見ると、例えば2000年のドットコムバブルが弾けたときに、Netflixとが生まれてきたり、2008年サブプライムローンでの金融危機の時から、新しいエコシステムとしてUberやAirbnb等が出てきたりしています。

同じようにこの2020年の新型コロナクライシスもチャンスと捉えられるためにも、一回決めたことも、ルーティーンも、仮説も、全部見直せるかっていうのが、すごく重要なポイントなんじゃないかなという風に個人的にはすごく考えています。

もちろんJapanのカントリーマネージャーレベルで体制を変更とか、ビジネスの仮説を全部変えるというのは出来ないと思うんですけど、少なくとも、日本の代表として、会社のポリシーに影響を与えられる権限をある程度持っていると思うので、それを発揮して発言していくべきだな、と思います。

小川:弊社でもまず一番大事にしたのは、世界中に散らばっている社員が、どこにいるか、大丈夫なのか、ということです。その次にした話が、まさにこれはクライシスだけど、どうやって自分たちのアドバンテージに出来るか、、新しいニーズが社会に必要とされている中で、自分たちに何ができるかという話にもっていける組織は強いなとすごく思いました。

弊社でも色々なアイディア出たんですけども、ひとつ大事にしていた視点が、それはPanalytにしか出来ないよね、というところを明確にすることです。

うちの専門性と、持っているデータセットとテクノロジーだからできることがこれだね、という話が出来たのがよかったかな、と思いました。

坂本:なるほど。先ほどの児玉さんの話も、Facebookならでは、そこの観点からもばっちりだったってことですよね。

小川:だと思います。

坂本:ありがとうございます。

こんな感じで議論が盛り上がって来たところなんですが、時間になったということで、今日のこのパネルディスカッションを締めさせて頂きます。感想や、次こういうトピックで話が聞きたい等ありましたら、ぜひお寄せいただけると幸いです。

最後にご登壇いただいた3名の皆様、どうもありがとうございました。

(了)


登壇者情報

CountryManager.jp Meetup Spring 2020

– 登壇者 –
大坪 直哉 / Naoya Otsubo
AppsFlyer Japan株式会社
カントリーマネージャー

大学卒業後、舞台俳優の道へ。33歳の時に検索連動型広告の大手、米Overtureに入社。2011年4月より2年間ビジネス・ブレークスルー大学大学院に通い、MBAを取得。12年に仏Criteoに転職し、アジア太平洋地域担当ディレクターとしてマーケットシェア拡大に貢献する。15年8月よりAppsFlyerの日本カントリーマネジャーに就任。坂本氏と共にTokyo MXで放送中「話題のアプリええじゃないか!」で先生役で活躍中。前ビジネス・ブレークスルー大学大学院同窓会会長。

小川 高子 / Takako Ogawa
パナリット・ジャパン
共同創業者 / CEO

新卒でワークスアプリケーションズに入社後、Google Japanに入社し、採用・人材開発業務に従事。2014年に同社内にてMOST INNOVATIVE & CREATIVE AWARDを受賞。2015年よりGoogle 米国本社にてStrategy & Ops部における シニアプロジェクトマネジャーとして、Googleの全社的な人事戦略業務に従事。現在はピープル・アナリティクス専門のBIソリューション、Panalyt(パナリット )の日本法人代表を務める。

児玉 太郎 / Taro Kodama
CEO & FOUNDER OF ANCHORSTAR/
KICKSTARTER JAPAN COUNTRY MANAGER

幼少期を米国で過ごし、1999年に当時は 社員数100名のベンチャー企業であったヤフー株式会社に入社しソーシャル系サービスの展開責任者に従事。
2010年にFacebook Japan株式会社の日本の一号社員としてカントリーグロースマネージャーとして就任。電通、リクルート、KDDIなど、日本企業との戦略的協業契約などを経て、アクティブ利用者数100万人に満たなかったFacebook Japanを4年間で2,000万人規模のサービスに成⻑させた。
日本と米国での生活経験、日本企業と米国企業での職務経験、また2つのベンチャー企業が大企業に成⻑する中で得た経験を活かし、より多くの海外企業の日本進出を支援するとともに、グローバル人材の育成、日本企業のグローバル進出を目的に、アンカースター株式会社を設立。
現在、Kickstarterのジャパンカントリーマネジャーを兼任。

– モデレータ –
坂本 達夫 / Tatsuo Sakamoto
Smartly.io
Head of Sales, Japan

2008年に東京大学経済学部を卒業後、楽天、Google、AppLovinを経て、2019年2月より北欧のマーケティングテクノロジー企業Smartly.ioに参画。日本第1号社員・事業責任者として日本展開をリードしている。
実益を兼ねた趣味として、累計30社以上のスタートアップにエンジェル投資を実行。
新サービス・アプリ紹介番組「ええじゃないか」(TOKYO MX)にMCとして出演中。