ニューキャリア「カントリーマネージャー」の生き方とは?

2019年12月、カントリーマネージャの会は「生き方としてのカントリーマネージャ」というテーマで定期イベントを開催しました。イベントレポートを全5回でお届けします。最終回となる第5回は、カントリーマネージャーとしての生き方を本音で議論します。


高橋:お時間の関係で、最後の質問に移ります。お三方色々ご経験をされていて、カントリーマネージャや 1 号目社員になってよかったことがもちろん多くあると思うんですが、なぜそういったキャリアがお勧めか?といった理由をお話して頂けますか。

カントリーマネージャ職または、1 号目社員に挑戦する・している方々にメッセージを頂ければと思います。では、井戸さんから頂いていいですか?

井戸:そうですね、もともと私はゴールドマン・サックス等の金融業界に長くいる中で、実業に身を転じたい、モノづくりに関与したい、という気持ちがありました。

その際に、ただメーカーに中途で入るんじゃなくて、特別な形で自分が今までやってきた経験が生きる形がないか?という風に模索する中で、カントリーマネージャで日本 1 人目という解が出てきた訳ですが、この 7 年間やってきて凄くよかったなと思いました。

多分やっていなかったら見えていなかった景色がたくさんあり、大変なことばかりなのですけど、自分の仕事人生の幅はものすごく広がったなと思います。

多分アンカーを卒業する日がいつか来たとしても、この経験は絶対生きるだろうなと思います。お勧めかどうか問われたら、絶対お勧めだと思っています。

井戸 義経 氏(アンカー・ジャパン株式会社)

恐らくカントリーマネージャをやりたい・できるという方々は、日本にいらっしゃる方々の中で稀有な人材なのかなと思っています。

米国とか欧州とか海外でイケてるサービスやプロダクトであっても、日本という大きな市場で、とっかかりを見つけられてないという、非常にこちら側が交渉に有利な状況が結構多いと思うんですよね。

需要と供給のバランスじゃないですけど、その有利な状況をうまく活用して、自分のやりたい事業をある意味ゼロからのスタートじゃなく、「ブースターを付けた形で開始できる」というのはすごくカントリーマネージャという仕事の面白いところではないかという風に思います。

高橋:ありがとうございます。

(会場拍手)

高橋:では、次に富松さん。

富松:そうですね。ぜひチャンスがあるなら、皆さんもやってみられたら良いかと思います。

友人で、私と似たような経歴でグローバル企業からベンチャー企業のカントリーマネージャを務めたのですが、途中で色々な社内政治に巻き込まれてしまい、また大企業の CDO に戻ったというケースがあります。

カントリーマネージャをやってみた後、また元に戻ることも十分可能だと思いますので、せっかく一度の人生、いくつも色んなことを経験されたらいいと思います。

先ほどお話したように、自分が創業するための 1 つのトライアル・ステップという風に考えたら (カントリーマネージャに挑戦するのは) 早ければ早い方がいいです。

富松 敬一朗 氏(メディアマス日本法人)

カントリーマネージャの場合、既にそこにプロダクトやサービスがあるわけで、あとは日本という市場にどう合わせるか。1 からポジショニングとかを自分で考えてもいいと思うんですよ。

よく言われるのは、差別化する点はどこですか?競合はどこですか?という問いがあれば、自分の中で見方を変えて、これをこういう形で売るという戦略・戦術の意思決定ができるということは凄く醍醐味だと思います。

自分で 0 からスタートするよりも、株式も、給与ももらえて、事業を立ち上げできますし、こんなにエキサイティングなことはないと思います。

最後に、成功の確率です。以前、インテルキャピタル (インテルのベンチャーキャピタル部門) の人とお会いして話す機会がありました。彼らが話していたのは「我々は 100 社投資して 1 社しか成功しないが、99 社の損を 1 社でひっくり返し大きな利益を出してました」と。

また 10 社のうち 1 社はトントンか、何とか生き残っているとも。その確率論から考えると、起業はそう簡単に成功しません。

”100 社のうち 1 社が大成功、10 社のうち 1 社がなんとか生き残る”

ひょっとすると今はもっと大変かもしれない、ということを踏まえた上で、チャレンジされたほうがいいと思います。99 社トライアルしたら、もしくは 10 社トライアルしたらその 1 社になれるかもしれません。以上です。

高橋:ありがとうございます。

(会場拍手)

高橋:では、最後に新宅さん、お願いします。

新宅:私はマーケティングマネージャとして 1 号社員で参画という形なのですが、アップル社で働くことが 1 だとしたら今は 100 楽しいです。

まだ参画してから 5 週間で、まだサービスローンチもしていないですけれど、非常に楽しいです。僕まだ 31 歳なんですけど、もし若手の方がこの場にいらっしゃったら、カントリーマネージャないし 1 号目社員はすごくお勧めです。

なぜなら、先ほど富松さんもおっしゃったようにポジショニングや売り方・売り先を自分で決めていけるというのが1つです。

新宅 暁 氏(Wolt Japan株式会社)

Wolt は現在 19 か国、北欧と中央アジア、バルト 3 国などで展開しているのですけれど、日本はすごく文化的にユニークなマーケットなので、本国からの投資が大きいですね。

人もお金も投資が凄くて、今日もこのイベントに、本社の社員がフィンランドから来てくれているのです。まさに、いろんなサポートを受けつつ走っています。

フィンランドに先週まで行っていたのですが、日本人に会うとまるでスターに会うように、「日本人?(無条件に) ありがとう!」みたいなテンションで接してくれて、日本に進出することにそれだけ価値があるということだと思います。

特に、フィンランドは国として日本が大好きなので、そういう側面があると思うのですが、そういった意味で全社中の注目を浴びながらビジネスができるというのは気持ちいいところだと思います。以上です。

高橋:ありがとうございます。時間が来てしまいました。もっと聞いていきたいんですけど、お腹も空いてきたのでこの辺で終わりにしようかと思います。改めて 3 人の方に大きな拍手をお願いします。

全員:ありがとうございました!

(会場大きな拍手)

(了)


登壇者情報

Country Manager Year End Party 2019

– 登壇者 –
井戸 義経
アンカー・ジャパン株式会社代表取締役
2002 年東京大学経済学部経営学科卒業。同年ゴールドマン・サックス証券会社に入社し、投資銀行部門にて顧客企業の M&A 取引、資本市場での調達のアドバイザリー業務に従事。その後 2006 年にプライベート・エクイティ投資会社の TPG キャピタルに入社。日本企業への投資ならびにバリューアップに取り組む。2013 年、Anker グループの日本法人を設立し代表に就任。6 年で売上高 100 億円を突破する事業に成長させる。剣道五段。

富松 敬一朗
メディアマス日本法人代表
新卒でP&G マーケティング部に入社、その後ロイター通信社(シドニー駐在)、Citibank、GE キャピタル、20世紀フォックス映画社 (現 Walt Disney Studios)、Google 等で営業・マーケティング責任者を経て、英国、インド発の IT 企業 2 社の日本法人設立、直近は英国 DAZN メディア日本法人代表。日本アカデミー賞、東京インタラクティブ・アドアワード、電通広告賞 等多数受賞。第 1 回 ad tech tokyo 2009 の advisory board member。豪州 #1 マクオーリー経営大学院 MBA 修了。

新宅 暁
Wolt Japan 株式会社マーケティングマネージャ (日本法人 1 号目社員)
Twitter にてダイレクトレスポンス広告の戦略をリードした後、ユニクロ、Apple にてマーケティングに従事。2019 年 11 月フィンランド ヘルシンキをベースにフードデリバリーを展開する Wolt の日本支社に第 1 号社員として入社。

– モデレータ –
高橋君成
RTB House Japan 株式会社Sales Director
外大卒業後、新卒でリクルートに入社。その後アドテク業界に入り、Criteo, Appier を経て 2018 年 1 月よりポーランド発のリターゲティング広告企業 RTB House に日本 1 号社員として参画。参画から 2 年で日本を「RTB House のグローバルで最も成長している市場」にまで牽引。