北欧企業の日本法人1号社員になってみたお話(Wolt 新宅)

2019年12月、カントリーマネージャの会は「生き方としてのカントリーマネージャ」というテーマで定期イベントを開催しました。イベントレポートを全5回でお届けします。第3回は、北欧企業の日本法人立ち上げを今まさに進める新宅さんがその経験を語ります。


高橋: 富松さん、ありがとうございます。4 社にカントリーマネージャとしてのご参画されている中で、参画のタイミングに関するアドバイスなど、貴重なお話を頂きました。

続いて新宅さん、目下立ち上げ中となります。

新宅:新宅と申します、本日は宜しくお願いします。

【プロフィール】
新宅 暁
北欧企業 Wolt Japan 株式会社
マーケティングマネージャ(日本法人 1 号目社員)

Twitter にてダイレクトレスポンス広告の戦略をリードした後、ユニクロ、Apple にてマーケティングに従事。2019 年 11 月フィンランド ヘルシンキをベースにフードデリバリーを展開する Wolt の日本支社北欧企業に第 1 号社員として入社。

恐らくこの重鎮のお 2 人 (井戸氏・富松氏) と同じ壇上に私が放り込まれたのは、バランスを取るためなのかなと思っております。

弊社はまだ日本ではローンチしてないサービスでして (2019 年 12 月 登壇時点)、「Wolt」という、フィンランドのヘルシンキを本社とするフードデリバリーサービスの立ち上げを現在やっております。

マーケティングマネージャとして日本で 1 人目として入社しました。ですのでカントリーマネージャではないです。

キャリアの半分は Twitter などで広告営業や戦略の担当をしていました。その後マーケティング経験を積みたいということで、大きな会社に行けばより多くの経験ができるだろうと思い、ユニクロ社やアップル社に転職をしたのですが、会社やブランドとしてできることの制限があったり、自分が担当している範囲の狭さを感じることがありました。

自分自身マーケターとしてこれをやったんだ、こういった人間なんだと言えるほどの自信を持てるまでには至らなかったんですね。なので 1 人目として自分で全部責任をもってやろうと。ただ起業するほどの自信はない、というわけで今の会社への参画を選びました。

先ほど富松さんがおっしゃったように、誰かがある程度形として作ったものがあれば、自分は裁量をもってやっていけるんじゃないかなっていう思いがあり、1 人目としてどこかに入社したいなというのはずっと心の中にはありました。

新宅 暁 氏(Wolt Japan株式会社)

私がこの会社と出会ったのは LinkedIn 経由です。リクルーターからダイレクトメッセージで直接連絡を頂きました。今はそういった形も多いんじゃないかと思うんですけど。

私自身、「Wolt」のサービスを使ったことがあって、とってもいい体験があったんですね。

ゴールデンウィークにデンマーク旅行に行ったときに、Wolt のジャケットを着た配達のパートナーの方の対応に、ただの出前サービスではない、すごくいい顧客体験をしたという記憶が残っています。

それがあったので、リクルーターからお話を頂いてからすぐに返信をして「私 Wolt 知ってるんですよ、日本ではどんな戦略で進出するんですか?」っていう形で、お会いすることにしました。

最初は、興味本位でしたね。北欧が大好きで、食が大好きっていうのが自分の中にあったので、何かそういったところで機会が見つかればいいなと思ったところ、求めているものに全てフィットしたというのがこの会社との出会いです。

高橋:ありがとうございます。それでは次に、日本法人を立ち上げた後に、「外資系日本法人だからこそ」の文脈で、気を付けたこと、成功/失敗した経験、これをやってよかったなということを聞いてみたいと思います。

高橋 君成 氏(RTB House Japan株式会社)

今度は、今まさに日本法人立ち上げ中の新宅さんから行きましょう。

新宅:先ほど井戸さん・富松さんにハードな会社立ち上げのお話を頂いたので、私からは、皆さんの精神的ハードルを下げるお話をしたいと思います。

(Wolt の本社がある) フィンランド人は非常に勤勉かつ謙虚でして。私が入社するときには、もう日本支社が立ち上がっていて、すべての法務関係も揃っていて、給料もなぜか 2 日目とかには振り込まれるようになっていました。「いや 2 日目かよ」って思ったんですけど(笑)。

オフィスも用具も揃っていて、驚くほど普通の企業に入るのと変わらず、整っていました。そういった意味で、事務的な面での経験ができなかったという寂しさ?はあるんですが(笑)。

(会場驚き)

目下の立ち上げで、外資系日本法人として「何に今苦しんでいるか?」というご質問にお答えしたいのですが、弊社の場合はリクルーティングです。

フードデリバリーのサービスを 2020 年に日本でローンチするのですが、「Wolt です、北欧でフードデリバリーやっています」と言っても、(知名度がなく)「誰だよ」といった反応にしかならない。

つまり、レスポンスレートがすごく低いんですね。さらに、やはり英語が喋れないといけないというのは、本日いらしている皆さんお勤めの企業でも恐らくそうなのかなと思います。

Country Manager Year End Party 2019 開催風景

極めつけは、我々のサービスローンチが東京ではなく、最初は地方から行います。そうすると、「地方に移住できますか?」という条件が入ります。

英語ができて、スタートアップに飛び込める方は地方にはなかなかいません。ですので東京などからの移住者もターゲットにしています。

現在レストランとのパートナーセールス、ジェネラルマネージャ、オペレーション、サポート、マーケティングを募集しておりますので、ご興味のある方はご連絡ください。

(注: こちらのリンク から募集職種をご覧になれます)

高橋:ちなみにローンチする場所はどこですか?

新宅:広島です。私は入社後半分くらいは広島でローンチのための活動をしています。

ただもちろん、数週間に 1 回東京に帰っていただくとか、次の街がローンチしたときはそっちに移っていただくということもフレキシブルにできるので、もしご興味があれば、ぜひ宜しくお願いします (笑)。

高橋: リクルーティングの面で、こういうことを言えば本社って納得してくれるでしょって思っていたのに、納得してくれなかった、みたいな経験はあるんですか?

新宅:それでいうと例えば、有給の期間って多分日本の法律上 10 日というのが最低で決まっていると思うんですけど、ただ皆さんの会社、実際は 15〜20 日ありませんか?

法律上はそうかもしれないけど、慣習として実際の企業はそうじゃないよ (法律以上に付与をしているよ) と言っても、「最初は 10 日でいいのでは」と言われ、納得してもらっていないといったことはあります。

ただフィンランド人はすごく合理的なことに対してフレキシブルだから、例えば書面上は 10 日って書いてあるけど実際もっと取れると感じています。口約束なんですが、本当なんです。

本当ですよね、(フィンランド企業 Smartly.io に勤める) 坂本さん?

坂本 達夫

Smartly.io はどの国でも、有給休暇は年に 25 日付与されますね (真顔)。

(会場笑)

新宅:失礼しました (笑)。

まだ、実際働いて 5 週間なんですけど、フィンランド人は非常に理にかなっているので、判断でイライラしたことは今のところ一切ないです。すごく勤勉で、謙虚で、頭のいい方々と働けています。

高橋:ありがとうございます。では、富松さんにご質問をぶつけてみたいと思います。

(つづく)


登壇者情報

Country Manager Year End Party 2019

– 登壇者 –
井戸 義経
アンカー・ジャパン株式会社代表取締役
2002 年東京大学経済学部経営学科卒業。同年ゴールドマン・サックス証券会社に入社し、投資銀行部門にて顧客企業の M&A 取引、資本市場での調達のアドバイザリー業務に従事。その後 2006 年にプライベート・エクイティ投資会社の TPG キャピタルに入社。日本企業への投資ならびにバリューアップに取り組む。2013 年、Anker グループの日本法人を設立し代表に就任。6 年で売上高 100 億円を突破する事業に成長させる。剣道五段。

富松 敬一朗
メディアマス日本法人代表
新卒でP&G マーケティング部に入社、その後ロイター通信社(シドニー駐在)、Citibank、GE キャピタル、20世紀フォックス映画社 (現 Walt Disney Studios)、Google 等で営業・マーケティング責任者を経て、英国、インド発の IT 企業 2 社の日本法人設立、直近は英国 DAZN メディア日本法人代表。日本アカデミー賞、東京インタラクティブ・アドアワード、電通広告賞 等多数受賞。第 1 回 ad tech tokyo 2009 の advisory board member。豪州 #1 マクオーリー経営大学院 MBA 修了。

新宅 暁
Wolt Japan 株式会社マーケティングマネージャ (日本法人 1 号目社員)
Twitter にてダイレクトレスポンス広告の戦略をリードした後、ユニクロ、Apple にてマーケティングに従事。2019 年 11 月フィンランド ヘルシンキをベースにフードデリバリーを展開する Wolt の日本支社に第 1 号社員として入社。

– モデレータ –
高橋君成
RTB House Japan 株式会社Sales Director
外大卒業後、新卒でリクルートに入社。その後アドテク業界に入り、Criteo, Appier を経て 2018 年 1 月よりポーランド発のリターゲティング広告企業 RTB House に日本 1 号社員として参画。参画から 2 年で日本を「RTB House のグローバルで最も成長している市場」にまで牽引。