注目企業Anker 井戸氏が語る外資系スタートアップの船出!

2019年12月、カントリーマネージャの会は「生き方としてのカントリーマネージャ」というテーマで定期イベントを開催しました。イベントレポートを全5回でお届けします。第1回は、Anker井戸さんがその立ち上げの裏側を語ります。


モデレータ 高橋 (以下「高橋」):皆さん、本日はご参加頂きましてありがとうございます。

今日は、カントリーマネージャとして日本市場の立ち上げを行っていらっしゃった・または目下立ち上げ中の3名の方にパネリストとして来て頂きました。

3名それぞれに、自己紹介と、同時に「現在あるいは過去に日本 1 人目として参画した会社をどうやって見つけたか?」というお話を頂ければ幸いです。

高橋 君成 氏(RTB House Japan株式会社)
高橋 君成 氏(RTB House Japan株式会社)

見つけた、あるいは、参画した会社のほうから見つけられた、というパターンもあり得るかと思いますが。

では、アンカー・ジャパン井戸さんから。

井戸:はい。本日は、宜しくお願いします。アンカー・ジャパン株式会社 代表取締役の井戸でございます。

【プロフィール】
井戸 義経
アンカー・ジャパン株式会社
代表取締役

2002 年東京大学経済学部経営学科卒業。同年ゴールドマン・サックス証券会社に入社し、投資銀行部門にて顧客企業の M&A 取引、資本市場での調達のアドバイザリー業務に従事。その後 2006 年にプライベート・エクイティ投資会社の TPG キャピタルに入社。日本企業への投資ならびにバリューアップに取り組む。2013 年、Anker グループの日本法人を設立し代表に就任。6 年で売上高 100 億円を突破する事業に成長させる。剣道五段。

プロフィールに書いてある通り、もともと金融業界に 10 年ほどおりました。まずゴールドマン・サックス証券に入社し、投資銀行部門で、M&A のアドバイザリーや資本市場で調達するときのご支援という、サービスサイドの金融マンとして勤めていました。

その他いくつか勤めているんですけども、3 社目に TPG キャピタルという米国・西海岸系のプライべートエクイティファンドにおりました。そこでは、海外の機関投資家のお金を使って日本企業へ投資するという仕事をしていました。

2013 年にアンカー・ジャパンを始めることになるんですが、元々アンカーグループというのは、Google 出身者たちが作った会社です。2011 年にブランドが発足しています。

ご質問の「どうやって見つけたか」ですが、金融業界働く前、学生の頃私は製造業のことを一生懸命勉強していたため、ものづくりに関わりたいという気持ちがずっとありました。

金融業界で投資側で事業に携わっていると、やっぱりアウトサイダーだということで、事業サイド、ブランドサイドにいつか行きたいなという思いがありまして。

アイデアを色々と画策していたんですけれども、その中で海外の成長ブランドを日本に持ってくるというアングルが一番可能性が高いんじゃないかなという風に思い、色々探していました。

例えば、海外の見本市に行ったりですとか、色んなリサーチをする中で、既に確立されたブランドを日本に持ってきてもあまり面白くないだろうなと思いました。なので、これから伸びそうなブランドにフォーカスをして色々サーチをかけていきました。

その中で、米国・西海岸に Google 出身の人が作ったすごくイケてるハードウェアスタートアップがあるらしいということで、声をかけたんです。

まずメールを wholesale  @ anker.com みたいなところに送ったんですね。「ビジネスプランがあるから聞かないか」っていう、ちょっと思わせぶりなメールを送りまして、返事を頂くことができました。

ただ、メールを何回かやり取りするうちに、やたらチャンとかジャンとかチャオとかって名前が多くて、さすがに西海岸の会社でもこんなにアジア系多くないだろう、と変だなと思うようになりました。ビジネスプランについて、電話会議を何回かするうちに、「お前面白いからビジネスプランを本社に直接プレゼンしに来い」と言われました。

じゃあ、西海岸、シリコンバレーに行きますねと言ったら「違う」と言われまして(笑)。中国の長沙 (ちょうさ) という、全くわからない・聞いたことのない街に来いと言われてですね、実は西海岸の会社ではなかったと、中国の会社だったと気づいたというオチがあります。

井戸 義経 氏(アンカー・ジャパン株式会社)

(会場笑)

そこに行ってビジネスプランについて 1 週間くらい膝詰めて議論して、プラン自体は折り合いそうになったんですけど、私がどういう形で入るかという点に関してみっちり議論しました。

その点で 2 回くらい決裂しそうになったのですが(笑)、でまあこれだけ議論したのも何かの縁だし、始めないのももったいないから、「俺がダメだったら首切ってくれ」と言ってとりあえず始めました。その代わり、実費だけ出してくれという握りをしていました。

実費だけ出してねとは言ったんですけど、例えばオフィスの敷金はだいぶ長い間、私が立て替えてたんですよ。200 万円くらい立て替えてて。こちらからプレゼンして、日本で始めようぜって言った手前、「敷金払ってくれないから始めない」というのもかっこ悪いじゃないですか。

(会場笑)

(敷金を立て替えているということに) 気づいてくれるのを待ってたという感じですね。給料も半年くらい無給だったんですよ。それも給料払ってくださいと自分から言うのも嫌だったので、ずっと手弁当でやってたんですが、そろそろ嫁にも説明できないなというときがきて。

「あんたいくら給料もらってるの?」「うん、まあ、うん…」みたいな。

(会場爆笑)

そろそろやばいなと思いつつ、本国 NO.2 の者と話しているときに「ところで給料ちゃんと振り込まれているよな?」って聞かれて、「いや実は半年払ってもらってないんだよ」と正直に話した所、「ごめん!」って言われて、ようやくそこから給料が発生しました。

高橋: 立て替え分は全部ちゃんと返ってきたんですか?

井戸: 給料は払われなかった期間の分を通算して払ってくれました。立て替えていた敷金も返してくれました。

高橋:良かったです(笑)

井戸:すみません、ちょっと長く話してしまいました。本日は、宜しくお願いします。

高橋:宜しくお願いします。

(つづく)


登壇者情報

Country Manager Year End Party 2019

– 登壇者 –
井戸 義経
アンカー・ジャパン株式会社代表取締役
2002 年東京大学経済学部経営学科卒業。同年ゴールドマン・サックス証券会社に入社し、投資銀行部門にて顧客企業の M&A 取引、資本市場での調達のアドバイザリー業務に従事。その後 2006 年にプライベート・エクイティ投資会社の TPG キャピタルに入社。日本企業への投資ならびにバリューアップに取り組む。2013 年、Anker グループの日本法人を設立し代表に就任。6 年で売上高 100 億円を突破する事業に成長させる。剣道五段。

富松 敬一朗
メディアマス日本法人代表
新卒でP&G マーケティング部に入社、その後ロイター通信社(シドニー駐在)、Citibank、GE キャピタル、20世紀フォックス映画社 (現 Walt Disney Studios)、Google 等で営業・マーケティング責任者を経て、英国、インド発の IT 企業 2 社の日本法人設立、直近は英国 DAZN メディア日本法人代表。日本アカデミー賞、東京インタラクティブ・アドアワード、電通広告賞 等多数受賞。第 1 回 ad tech tokyo 2009 の advisory board member。豪州 #1 マクオーリー経営大学院 MBA 修了。

新宅 暁
Wolt Japan 株式会社マーケティングマネージャ (日本法人 1 号目社員)
Twitter にてダイレクトレスポンス広告の戦略をリードした後、ユニクロ、Apple にてマーケティングに従事。2019 年 11 月フィンランド ヘルシンキをベースにフードデリバリーを展開する Wolt の日本支社に第 1 号社員として入社。

– モデレータ –
高橋君成
RTB House Japan 株式会社Sales Director
外大卒業後、新卒でリクルートに入社。その後アドテク業界に入り、Criteo, Appier を経て 2018 年 1 月よりポーランド発のリターゲティング広告企業 RTB House に日本 1 号社員として参画。参画から 2 年で日本を「RTB House のグローバルで最も成長している市場」にまで牽引。